今既にフィルムスキャナーを使っていたり、これから使ってみたい人に一度は試してもらいたい、フィルムスキャン方法を公開します。あくまで自分がフィルムスキャンする方法なので「最高に綺麗にデータ化する」というのは主観でしかないですが参考になれば幸いです。
この方法を使った場合の参考画像比較です。


画像が横に引き延ばされているように見えますが、カールしている分その画像は横幅が縮むせいで、延びている方が正確な画像です。
ちなみに下側にカールして本体ガラス面とフィルムの間が狭くなっている場合はここまで画質に差は出ないと思います。

※以下、自分の環境での説明になるのでこの方法が使えない場合もあります。

フィルムスキャナー

・使用スキャナー:Canon CanoScan 8800F(最新機種は9000F)
・使用ソフト:ScanGear(Canon)

その他必需品

・ブロア
・無反射ガラス(A4サイズ)→ google先生に聞いてください
・マスキングテープ

早い話が、この無反射ガラスとやらでフィルムをべったんこーとプレスしながらスキャンしますよ。というお話です。

 

取り込み作業編

1-1: スキャナーに無反射ガラスをセットする

スキャナーのガラス面に重ねて無反射ガラス(A4サイズ程度)を載せて、スキャナの丁番がついている側をマスキングテープで両端2点留めにします。セロハンテープ等を使わずにマスキングテープを使用する事で取り外しを用意にして、なおかつテープのこべりつきを防止します。

その反対側(持ち上げる側)にはマスキングテープを折り曲げてガラスを挟むように貼ります。ガラスを持ち上げやすくなります。ぜひ!

1-2: フィルムをセットするための位置を決める

フィルムはスキャナの蓋側についているLEDで照らされながらスキャンされるので正確な位置にセットする必要があります。(傾きの調整とかも楽になる!)
この手の製品は付属でフィルムをセットするためのプラスチック製のレールというか所定の位置に固定するためのガイドが付属しています。でもコレ、使いにくいんです。フィルム反ってるから”浮き”ができたり、特にブローニーではズレ落ちてしまいがちです。

話がそれましたがフィルムセット方法は2種類。一つはスキャナ本体のガラス面に、直にマスキングテープで印をつける方法。スキャナ汚れるのでお勧めしません(。◕ˇдˇ​◕。)
オススメなのは、100均で売っているクリアファイルをフィルムのセット位置で切り抜く方法です。こっちのほうがスキャナ本体も汚れないですね!

さらに高度なセットの方法

クリアファイルを使う場合、フィルムよりクリアファイルの方が分厚くなるため、若干浮きができます。フィルムがカールしていると像の中央と隅で画質に差が出ます。そこである程度セット位置を覚えたらガイドとなる物は全て取り去って、フィルムのみをガラス同士で挟むようにしてみてください。ぶっちゃけ画質に差はないというかここまでくるともはや気持ちの問題ですが、最高の画質にこだわるならぜひ・・・。

この場合はブロアの空気でフィルムを移動させたり、ブロアの先で微調整してください。

 

1-3: フィルムをセットする

フィルムをセットする際は必ずガラス面とフィルム面をブロアを使ってできる限るゴミとホコリを取り除くのは言うまでもなさそうですが念のため書きます。
フィルムは裏と表で光沢具合が異なりますが、より光沢面のある方を上向き(無反射ガラスと接するよう)にセットしてください。そうしないとニュートンリングができてしまいます。ただ本来ならばより光沢面が下向きになるようにセットするのが標準なので、一度は両方試して色調等の変化がないかの確認はした方がよいと思います。

 

スキャニング編

ScanGearは単独で使うものではなく、起動元となるソフトが必要です。PhotoshopとかPhotoStudioとか、ソフトがなければCanonのHPからMP Navigator EXというものがダウンロードできるのでそのソフトからでも起動できます。

2-1: 環境設定

ScanGearの起動はPhotoshopなら “ファイル” → “読み込み” からスキャナ名を選択します。他のソフトも概ね同様です。
まずはScanGearの設定から。ScanGear画面右下の “詳細設定” から “スキャン” 項目の ”48/16ビット出力を有効にする” をチェック。
“色の設定” 項目の “常に自動色調整を行う” のチェックを外します。

 

2-2: 取り込み設定 ”入力設定”

“48/16ビット出力を有効にする” を有効にするとカラーモードで “カラー[48ビット]” を選択できるようになります(通常”カラー”は24ビット)。ただし48ビット画像を扱えるソフト経由(Photoshop、PhotoStudio等)でないと48ビット出力できないので注意が必要です。
フィルムスキャン後に色調整を行う場合は48ビットの方が自然な階調を出せたり画質の劣化が少ないのでお勧めします。この場合のデータ形式はJPEGでは保存できずTIFFか使用ソフトの専用フォーマットになります。色調補正が終わったあと24ビットに変換後、JPEG画像へと変換する必要があります。また48ビット画像1枚の容量は通常のJPEG画像の倍以上になるのでその辺りも注意してください。

 

2-3: 取り込み設定 ”出力設定”

フィルム取り込み時の解像度は35mmフィルムなら2400dpi(フリーサイズ)で3400px*2200px前後になります。デジカメくらいの画素数ですね。
自分はブローニーがメインですがいつも1200dpi(フリーサイズ)でスキャンします。大体3000px弱の画素数です。これだけあれば十分ですね。この辺りは容量とも関係してくるので、データの使い方に合わせて調整してください。

 

2-4: 取り込み設定 ”画像設定”

各項目の詳しい説明はCanonのHPを確認してください。
下記項目は意図的に色を変えたりする場合もあるので、好みで設定しましょう!

■自動色調整:
色被りやコントラストなどを自動で補正します。詳細設定で “常に自動色調整を行う” のチェックを外した場合は常にオフになります。個人的には常時 “オフ” です。
■輪郭強調:
シャープネスの設定です。個人的には “弱” を好んで使います。
■ごみ傷除去(FARE):
フィルムの微細な傷やごみが残っていても自動で修正して綺麗な画像を得る事ができます。オフ時に比べ倍以上のスキャン時間になります。スキャン後にブラシ等を使うくらいなら設定オンにした方が楽です。個人的には “弱” を多用します。
■褐色補正:
鮮やかさ、色調、コントラスト等を自動で補正します。使った事がないので詳しくは不明。個人的には常時 “オフ” です。
■粒状感低減:
フィルム独特のザラツキ感を滑らかに補正します。場合によっては細部の表現がつぶれる可能性があるので必要最低限で設定します。メーカーHPでは「画像のせんえいさを失うことなく滑らかにします。」との事です。iPhotoの “ノイズ除去” よりはかなり綺麗で繊細さが残ります。個人的には “オフ” 又は “弱” を設定します。
■逆光補正:
ただ明るくするのではなく暗い部分も鮮やかに表現されるように彩度等を自動補正します。個人的な感想としては、設定すると全体的にくすみが減り、クリアで抜けの良い写真になるので好んで “弱” を設定します。
常時 “オフ”
■キャリブレーション設定:
これは必ず “スキャン毎に実行” を設定してください。自動補正されない、常に一定の色再現となるのでスキャン毎に色味が違ったりという事をなくせます。

 

3-1: スキャニング:プレビュー

いよいよプレビューボタンを押してスキャンしていく訳ですが、2つの注意点。

1: “拡張モード” でスキャンする
2: 画面左上の “縮小版表示/全体表示を切り替える” で全体表示モードに切り替え

これをしないとフィルムをうまく検出できず先に進めません。この後どの部分をスキャンするか選択しますが、付属のガイドレールを使った場合はフィルムの中から絵が写っている部分を自動で検出しますが、無反射ガラスを使った場合は正確に検出できないため、クロップ枠を自分で決めていきます。


パーフォレーションやコマ数・フィルム名等も一緒にスキャンできるのも魅力の一つですね!

高度なスキャニング

自動補正を行わなくてもフィルムの取り込み範囲によって色味が変化する場合があります。下の2つは写真が写っていない部分の取り込み量によって色調が変化しています。極度に露光不足だったり露光過多だったりするとプレビュー時で荒れる場合があります。また、全体的に緑っぽくとか意図的に色調を変化させる場合もあるので、そのような時は選択範囲をオーバーにしてみたり縮めてみたり、色々試してみてはいかがでしょう。カラーバランスの項目で色調変化させるより断然自然な風合いが出るので自分はこの方法を使っています!かなりお勧めします。

ちなみにフィルムのより光沢のある面を上向き(無反射ガラスと接するよう)にセットした場合はスキャン画像が鏡像になりますので、メニューのクロップ枠選択ボタンの横にある反転ボタンで画像を反転させる事をお忘れなく。

 

3-2: スキャニング:スキャン

8800Fの場合、ブローニーフィルムで、FARE設定オフ、1200dpiで大体一枚1分半前後のスキャン時間です。最新機種では同じ時間で3枚もスキャンできるみたいですね!かなり早い!

 

終わりに

ざっくりこんな感じですが、メインは無反射ガラスでフィルムをプレスしながらスキャンする事で、スキャン画像の画質が良くなるよって所です。ちなみに無反射ガラスで押さえないとニュートンリングができますので注意してください。
これを読むと結構めんどくさそうですが、慣れれば普通のスキャンするより楽ですし、自分の意図した画像を簡単に得る事ができるので、ますますフィルムでの作品作りが楽しくなります!カールしたフィルムにイライラした人もいると思いますが、想い通りにスキャンがしてみたい人はぜひトライしてみてくださいね!

分かりにくいよー!とかご不明な点があればコメントでお答えします。



追加記事→ 続:自宅でスキャナを使ってフィルムを最高に綺麗にデータ化する方法のまとめ(スキャナーのお手入れ編)


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